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サルとイヌの共同ブログ

【お気楽映画レビュー:★★】「シンゴジラ」に観る官僚のススメ

シン・ゴジラ

シン・ゴジラ

 

 官僚になろうと思われている人は、まずシンゴジラを見るべし。

 

私自身、過去に2年間ほど霞が関・永田町を出入りしていましたが、この映画は政治家・官僚の姿をかなり忠実に描いていると思います。

 

 

1. 国家の一大事の意思決定に参加できる。メモだしで。

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日本の官僚の方々は本当に優秀です。批判の的になりがちですが、日々重要な業務に当たっています。そして官僚の仕事の醍醐味は、国家の重大事にその決断の一役を担えること。しかし多くの場合において残念ながら政治家へのメモだしといった表にでない業務です。

 

さらにそのメモも個人の尖った意見ではなく、オープンになっても問題ない事実ベースの情報です。時間がある場合は、尖った意見や施策も担当レベルで作ることはできますが、多くの決裁・稟議過程でどんどん当たり障りのない(つまり炎上しない)内容になっていきます。

 

2. 間違いは許されない。

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官僚は間違いが許されません。よって、「今の状況ではなんとも…」と口ごもってしまうシーンが多くなります。

 

多くの難題は他分野を跨ぐものがほとんどです。単一の分野の課題であればそもそも難題になりません。シンゴジラも様々な角度から検討しなければならない難題です。そんな時の「どこの省庁に言っていますか?」というシーンが印象的であり、そして真実を映し出しているように思いました。

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これは「間違ってはいけない」=「自分の省庁では答えきれない難題は引き受けたくない」という現れでもあります。

 

3. 個性は重視されない。

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官僚は黒子です。その黒子がオンリーワンの存在であったら困ってしまいます。官僚は「高いレベルに事務仕事ができるエリート」の集まりでなければなりません。なぜならその人がいなくなることで組織が回ることがなくなってしまったら大問題だからです。よって、いなくなっても物事が回るように組織設計されています。例えば駐韓大使が日韓関係のもつれから一定期間帰国したことが先般話題になりましたが、それでも駐韓日本大使館の業務は回っていくのです。そうじゃなければ困りますから。

 

なお、省庁によっては「自分達のコントロールしづらい」業務が中心になり場合があります。シンゴジラのケースもそうですね。誰も予知していなかった事態です。シンゴジラは空想の話ですが、実世界でも「自分達のコントロールしづらい」業務によってブラック企業化している現象が起きています。

 

他律的業務の多い本府省においては、46.6%の職員が360時間を、7.1%の職員が720時間を超えて勤務していた。

公務員白書

 

残業しているのが国家一種とは限りませんが、東大卒業して国家一種試験を勝ち抜き、その後に「他律的業務」に時間を割かれつづける、というのはちょっと考えがたいですね。なお、「720時間を超えて」ですから。下手すると4桁です。

今日の「気休め」

決して官僚を批判しているわけではありません。むしろ私は日本は官僚に支えられていると思っています。しかし、このままの働き方だといつか無理が来るのではないかと思っています。

 

現在の働き方改革の流れにのって、10年後くらいに「シンゴジラで出てきた官僚みたいな人も昔はいたなぁ」となることを祈っています。