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サルとイヌの共同ブログ

【マンガ】「東京タラレバ娘」こそ、男性が読むべき、という話

この「東京タラレバ娘」というマンガ、最高です。ドラマになる随分前からマンガは読んでましたが、「こういうアラサー女性、確かにいる…」と何度頷いたことから(筆者、男性、29歳、既婚)。
 
そんな中、ドラマ化されたのを機にもう一度読み直しましたが、このマンガを読めば読むほど、「これは女性向け、というよりも男性向けじゃないか」という思いを強くしています。
 
というわけで、「東京タラレバ娘」こそ、男性のが読むべき教科書、という話。
 

東京タラレバ娘」ってどんなマンガ?

 
「タラレバばかり言ってたら こんな歳になってしまった」 そんなにイケていないはずじゃないのに気づいたらアラサ―になっていた倫子。6年後の東京オリンピックまでには結婚したいと思うけど…。 東村アキコの女子に対する鋭い視点と笑いがさく裂する最新作!!
 
このマンガが爽快かつ秀逸なのは、ストーリーの真ん中にいる3人のアラサー女性が全員「よいパートナーがほしい」「結婚したい」と明言しており、それに対してイケメンモデルが「ズバズバ」と、本当に男性が思っていることを言ってのけ、話が展開していく点です(なお、これは、イケメンのモデルがフィクションの世界でズバズバ言っているだけであり、これをリアルな世界で普通の男性が言ってしまうと、総スカンを食らうのは間違い無しなので要注意。下手したら殺されます。決して真似しないように。)
 
そう言った意味では、「女子のリアル刺さりまくり!共感度100%の水ドラはじまります。」というのは、女性の共感というよりも、男性の「ああ、確かにこういう女性、周りにいるね」という共感を誘います。そして、そんなアラサー女性とどうやって付き合っていけば良いのか、ヒントを与えてくれます。
 
なお、蛇足ですが、このマンガを語る上で外せないのが「第4出動」という用語。ちなみに私がこのマンガを知ったきっかけもコレ。知り合いのアラサー女子が、仲の良い女性をタグ付けし、「第4出動!」とフェイスブック上に書き込んでいたのを見かけて、気になって購入しました。これはこの漫画の用語で「緊急に男がらみの相談があるときにのみ、発令される女子会」を指します。(第一出動は暇な時、第二出動は仕事の愚痴を聞いてほしい時、第三出動はだれかの悪口を言いたい時に使われる)
 
 

リアルアラサー女性への理解を深めるための教科書

 
マンガを読むとよくわかりますが、確かにこんなアラサー女性、周りにいます。結構高確率で皆さんの周りにもいるはずです。
 
一方、私の近くにいるアラサー女性(結婚したいと明言している女性)は、「恋をする時間」を別のものに消費している気がして、ずっと疑問に思っていました。例えば、「突然身体を鍛えだす」「未婚仲間と海外旅行に行く」「ひたすら仕事に打ち込む。土日さえも」といった例が私の周りでは顕著。そうなると、客観的にみて「運命の相手」に出会うチャンスが減ります。仕事と同じで、勝負の基本は「きちんと準備」した上で、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」ですし、それを皆わかっているはずなのですが。
 
では、なぜそれを実際に行動に移さないのでしょうか。
 
それをこのマンガは、バッサリと指摘します。それは「キレイになったら、もっといい男が現れる!」とか「好きになれれば結婚できる!」といった「タラレバ」を理由にして、「ベンチの中から見物して偉そうなことをばっかり言っている」うちに「戦力外」になっているからだ、と。なお、この動向は、厚労省の調査レポートにも現れています。調査によると、25歳を境に積極的な「結婚しない理由」から消極的な「結婚できない理由」へ重心がシフトしていき、その中でも「適当な相手に巡り合わない」という受け身な回答が際立ちます(厚労省の調査の問の設定に偏りがあるとは言えないことを差し引いても大まかな傾向は示しているでしょう)。自分の内的なファクターではなく、外的なファクターに理由が移行している、つまり、「すべてが自分のせいではない」という自己正当化にも読み取れます。
 
これが、「タラレバ」に更につながるのは、「幸福の基準」というファクターもあるでしょう。第一生命の研究レポートによると、幸福の基準は、若い世代において「自分の理想との比較」に偏ることが示されています。つまりアラサー女性は、過去に描いた「自分の理想との比較」という呪縛に囚われ、傷つくのが怖い。それをマンガでは、「戦場のルールを忘れてしまった」と表現しています。東村先生、秀逸。
 
また、ワーク・シフトでも言及されていますが、人は多忙になると短期的な結果を欲しがるようになります。入社6年〜8年に差し掛かるアラサー世代は、ちょうど裁量も大きくなり仕事が充実してくることから、このマンガにもあるように手間をかけずに素敵な結婚相手を見つけたい・身近で手を打ちたい、といった思考になりがちになるのも頷けます。一方、本来は結婚は「長期投資」の側面もあり、その投資を判断する上で、しっかりと時間をかけた審査も必要であることから、短期的に決めることは失敗の可能性を高めます(しかしながら、選択の科学によると「恋愛結婚」と「お見合いの結婚」の幸福度に大きな違いがない、という調査もありますから一概には言えませんが、確率としては、きちんと「審査」したほうが恋愛でも愛情以外のファクターにおける失敗は減る可能性が高いのは間違いないでしょう)。
 
 
 
 

男がアラサー女性の地雷を踏まないために

 
さて、男がこのマンガを読むことで何を学べるか。それは以下の2つに集約されます。
 
・アラサー女子の心理は複雑。そのイタイ発言は、本音じゃない可能性が高い。
・余計な気を遣う必要はない。要は本人の問題。
 
厚労省の調査レポートによると結婚の願望は9割弱で推移しており、確率的にあなたの周りのアラサー女性も結婚願望が低いわけではない、と考えられます。そうなると「私はもう諦めた」というのは本音のようで本音じゃない可能性が高い。それを真に受けて「この人は結婚しないキャラ」とカテゴライズするのは間違いです。たまに男性管理職で、結婚していないアラサーもしくはアラフォーをイジる人がいますが、それは絶対にやめたほうがいい。信頼感を失うだけでなく、セクハラの一種です。
 
一方で、過剰に気を遣う必要もありません。「東京タラレバ娘」を読めばよくわかりますが、腫れ物に触られるように扱われるのも、それはそれで傷つくのです。上記に示したように、消極的な「結婚できない理由」が大きな要素になっている可能性が高い。その中でも大きなパイを占める「適当な相手に巡り合わない」というのは、改善可能な項目です。それを実現するかどうかは本人次第ですから。
 

そもそも結婚だけが幸せなのか、という疑問

 
あとがきにもありますが、そもそも作者の東村先生は、結婚だけが幸せじゃない、という価値観の持ち主であることがわかります。もちろん、そりゃそうなのです。離婚率は約30%前後(統計上、複数回離婚している人も含まれてしまっているため、鵜呑みにできる数値とは言えませんが)ですし、今の時代、一人でも十分楽しんでいけます。そもそも結婚することがゴールではなく、スタートです。「お姫様とジェンダー」に詳しいですが、シンデレラも白雪姫も結婚でハッピーエンドを迎えるものの、その後はぞっとするような長い結婚生活が待っているのです。子育て問題から、親の介護問題、きっと相続する財産も多いでしょうから財産を巡った血肉の争いに発展するかもしれません。
 
 
そんな煩わしいことを避けて、過去に男性が独身貴族として仕事にのめり込んだように、女性がそれを謳歌してもなんら問題ないでしょう(出生率と人口減少の問題はさておき)。優秀な女性の活躍推進、という政府のお題目もありますから、出世する女性も増えていくでしょうし。
 

まとめ、そして男目線のアドバイスを求められたら

 
たかがマンガ、されどマンガ。アラサー女性の心情だけでなく、結婚観の移り変わりや多様な生き方について考えさせられるマンガです。ドラマも好調な様子。少し設定が違うので、そちらも楽しめます。
 
マンガは最終話に向けて、恋愛の色が強くなりつつありますが、今後どのような展開になるか、目が離せません。
 
なお、基本的に「過剰に気遣うな」との主張を繰り広げて参りましたが、たまに男目線のアドバイスを求められることもあるでしょう。その際は、爽やかに「スパルタ婚活塾」をホワイトデーにでもお返しで贈りましょう。嫌われる可能性は高いですが、ご本人の役に立つことは請け合いです。